遺産分割調停・審判と管轄裁判所

遺産分割調停とは

遺産分割調停とは、平たく言えば、裁判所における話合いというものです。家事審判官(裁判官)と家事調停委員(2名)が中立の立場で当事者の話を聞き、話し合いによる解決を図るというものです。

家事審判官は、事件を多く抱えているため、調停の場には現れない事がほとんどです。家事調停委員は、民間から選ばれています。弁護士の調停委員であれば、法律知識に問題がなく、その点では話合いがスムーズに行くことが多いのですが、弁護士ではない調停委員の場合、法律の専門家でないため、少し複雑な相続案件になると、法律を十分理解していない場合が残念ながら散見されます。そして、調停委員の2人のいずれも弁護士ではないというケースは多くみられます。

いずれにしても、調停委員はどの当事者の味方でもないため、どのように話合いを進めて行くかについてプランを立てて進める事が大事になります。

遺産分割調停の管轄裁判所は

相手方の住所地を管轄する家庭裁判所又は当事者が合意で定めた家庭裁判所となります。相手方が複数名いる場合には、そのいずれかの相手方の住所地を管轄する家庭裁判所となります。

申立人が横浜市に在住、相手方の一人が沖縄県那覇市に在住、もう一人の相手方が東京都品川区に在住の場合、那覇家庭裁判所又は東京家庭裁判所のいずれかに申立てを行うことになります。


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遺産分割審判とは

遺産分割審判とは、遺産分割調停とは違い、裁判所が遺産分割についての判断を下す手続となります。民事訴訟では「判決」と呼ばれるものに相当するのが、遺産分割における「審判」となります。

審判手続の進行については、民事裁判の手続と似たようなものとなります。

遺産分割審判の管轄裁判所は

被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所又は当事者が合意で定めた家庭裁判所となります。


申立人が横浜市在住、相手方が沖縄県那覇市在住、被相続人の最後の住所地が長野県松本市である場合、当事者の合意がない場合は、長野家庭裁判所松本支部に申し立てを行うこととなります。

遺産分割調停と審判の関係

調停前置主義とは

調停前置主義とは、訴訟や審判の前に、調停を先に申立てなければならないというものです。調停は、裁判所における「話合い」ですので、話合いをまずは行った方がいいと考えられるものについては、調停前置主義が採られています。

例えば、離婚については調停前置主義が取られており、いきなり離婚訴訟を提起するのは原則として許されず、離婚調停を先行させなければならないことになっています。

遺産分割の場合は、調停前置主義が採られていませんので、遺産分割調停を行わずに、いきなり遺産分割審判を申し立てていいことに「一応は」なっています。

遺産分割調停を申し立てる事が多い

遺産分割の場合は、調停前置主義ではないのですが、遺産分割の審判をいきなり申し立てても、裁判所から、まずは話合いを行った方がいいのではないかと言われ、調停を申し立てることを促されたり、職権で、調停に付される事が多く行われています。それもあり、実際には遺産分割調停をまず申し立てるという事が広く行われています

つまり、法律の建前と実際の運用が異なっていることになります。

遺産分割調停から遺産分割審判への移行

遺産分割調停で話合いを行っても解決に至らない場合は、問題がないケースでは、遺産分割審判に移行することになります。この場合は、改めて、遺産分割審判を申し立てる必要はありません。

これに対し、当事者の範囲に争いがある、相続財産の範囲に争いがあるケースなどの問題があるケースでは、遺産分割審判に移行できないという事になります。

なお、遺産分割調停と遺産分割審判とで、管轄裁判所が異なる場合には、遺産分割審判の管轄裁判所に移送されるケースもあれば、遺産分割調停を行った裁判所がそのまま審判手続も行うケース(自庁処理)もあります。当事者の意向も踏まえ、最終的には裁判所が判断することになります。
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電話会議による遺産分割調停

相手方が遠隔地に居住している場合、原則として、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てますが、そのような場合、電話会議による遺産分割調停を行うことが出来るようになりました。詳しくはこちらをご覧下さい。

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