離婚に関するQ&A

Q 離婚にはどのような種類があるのですか。

A 離婚には、協議離婚、調停離婚、審判離婚、裁判離婚があります。
 協議離婚は、夫婦が話し合うことにより成立するもので、離婚全体の9割に相当します。諸外国には、協議離婚の制度がない国もあります。
 調停離婚は、夫婦のどちらかが、家庭裁判所に調停を申し立てた後、調停での話合いにより、成立するもので、離婚全体の9%に相当します。
 審判離婚は、数は極めて少ないですが、離婚調停において、些細な点での対立により調停離婚が成立しない場合に、家庭裁判所の権限で、離婚を成立させることを言います。しかし、この審判に納得がいかない場合には、2週間以内に異議を述べることが出来ます。
 裁判離婚は、離婚全体の約1%で、夫婦のどちらかが、地方裁判所に離婚訴訟を提起し、裁判所が判決により、離婚を成立させるものをいいます。
Q 裁判離婚に必要な離婚原因にはどんなものがありますか。

A 民法第770条1項では、次の5つを離婚原因として挙げています。
  ・相手に不貞行為があった場合(1号)
  ・相手から悪意で遺棄された場合(2号)
  ・相手の生死が3年以上不明である場合(3号)
  ・相手が強度の精神病にかかり、回復の見込みがない場合(4号)
  ・婚姻の継続が困難な重大な事由がある場合(5号)
 
 但し、1号から4号までの事由が認められても、一切の事情を考慮して、婚姻の継続を相当と認める時は、請求を棄却することができるとされています(同条2項)。
Q 悪意の遺棄とは、どういうことをいいますか。

A 「遺棄」とは、夫婦間の同居・協力・扶助義務(民法752条)を履行しないことをいいます。「悪意」とは、このような各義務を履行しないことによって、婚姻関係が維持できなくなることを容認して、積極的に遺棄することをいいます。
Q 婚姻の継続が困難な重大な事由とはどのような場合をいうのですか。

A その範囲は幅広く、必ずしも明確ではありませんが、典型的な場合としては、性格の不一致、暴力・虐待・侮辱、長期の別居期間、性の不一致、不就労、多額の借財、親族との不和、過度の宗教活動、配偶者に対する訴訟提起、配偶者の犯罪行為などの理由により、婚姻生活が破たんし、回復の見込みがない場合を言います。裁判では、これらの一つだけ考慮するというよりも、夫婦生活の一切の事情を考慮し、総合的に判断するのが通常です。
Q 財産分与はどのように決められますか。

A 一般的には、まず分与対象財産を確定・評価し、それに分与率を乗じて、最後に具体的な分与方法を定めるという順序で行われます。
 まず、一方が婚姻前から所有していた財産や婚姻中でも相続等で相手方と無関係に取得した財産などの特有財産を除き、夫婦が婚姻中に協力して形成・維持してきた共同財産は、名義の如何にかかわらず分与対象財産となります。
 そして、分与率は、最近では、原則2分の1とした上で、個別事情を考慮してこれを修正するという方法が主流になっています。
 その上で、金銭による分与の方法をとるか、現物による分与の方法をとるか、さらに、金銭による分与であれば、一括払いにするか、分割払いにするか等を決めます。
Q 財産分与の対象となる財産については、離婚の時(若しくは別居の時)に現実に存在しない財産はその対象とはならないのでしょうか?

一般的には対象とならないと思われているようですが、財産分与については、民法第768条3項が「家庭裁判所は、当事者双方がその協力によって得た財産の額その他一切の事情を考慮して、分与をさせるべきかどうか並びに分与の額及び方法を定める。」と規定しており、家庭裁判所がその他一切の事情を考慮して定めることができるとされています。

実際の下級審判例においては、過去に夫が遊興費等のためにした借金を夫婦で協力して返済したという事案で、返済した金が現実に存在するものとして、夫が妻に対し、返済額の2分の1に相当する金を財産分与として支払うことを命じたものがあります。このように事案によっては、離婚の時(若しくは別居の時)に現実に存在しない財産についても財産分与の対象となる場合もあります。
Q 有責配偶者からの離婚請求は認められますか。

A 判例は、当初否定的な考え方を採用していましたが、現在では、以下の条件を満たす場合には認められると考えられています(最高裁昭和62年9月2日判決参照)。すなわち、①相当期間に及ぶ別居があること、②未成熟のこどもが存在しないこと、③離婚を容認することにより、相手方配偶者が精神的・社会的・経済的に苛酷な状態におかれることのないことが必要となります。
Q 財産分与を行う前に、相手が、財産を隠してしまいそうですが、どうすればいいですか。

A このような場合、預金や不動産などを仮差押えすることができます。仮差押えをすれば、相手は預金を引き出すことができなくなり、また、不動産を第三者に譲渡しても、その不動産を競売にかけて、そこから財産分与相当額を回収することができます。但し、仮差押えには、担保を提供することが通常必要となります。
Q 離婚による慰謝料の請求額はどの程度でしょうか。

A 離婚による慰謝料の算定をする際には、①有責性、②婚姻期間、③相手方の資力を考慮した上で判断されます。①については、婚姻の破綻原因、破綻に至る経緯、婚姻に至る事情、婚姻生活の実情、有責行為の態様、非嫡出子の出生や認知、責任の割合などが考慮されます。②については、婚姻期間が長くなるほど、慰謝料の金額も高くある傾向があります。③については、双方当事者の年齢、職業、収入、学歴・経歴、親権の帰属、生活費を支払っていたが等を含めた婚姻生活状況全体の考慮の中で、実質的に相手方の資力が考慮されます。
Q 国際離婚の相談です。私は日本人で、アメリカ人の夫と離婚したいと思っておりますが、日本で裁判をすることはできますか。

A 日本で裁判が起こせるかどうかを定めた法律はありませんが、最高裁昭和39年3月25日判決がリーディングケースとされています。この判決によると、日本が離婚の国際的裁判管轄権を有するためには、原則として被告の住所が日本にあることが必要であるが、原告が遺棄された場合、被告が行方不明である場合、その他これに準ずる場合においては日本に裁判管轄権があるとしました。
 さらに、最高裁平成8年6月24日判決では、前掲昭和39年最高裁判決の「その他これに準ずる場合」以外に、日本での国際裁判管轄を認めた事例が現れました。この件は、日本に居住する日本人の夫がドイツに居住するドイツ人妻に対する離婚訴訟でしたが、既に、ドイツ国内では先に妻が離婚訴訟を提起してこれが認容されていた事案でした。すなわち、日本の国内法上は離婚が成立していないが、ドイツでは離婚は成立しているという事案であり、夫はドイツ国内で妻に対して離婚訴訟を提起しても既に婚姻が終了していることを理由に訴えが不適法とされる可能性が高いといった事情がありました。
 このように、昭和39年最高裁判決の射程外であっても、日本での国際裁判管轄を認めなくては著しく不当な結果を招く場合には、管轄が認められる場合があります。
Q 国際離婚の相談です。私は日本人で、アメリカ人の夫と離婚したいと思っておりますが、どちらの国の法律が適用されるのでしょうか。

A どちらの国の法律が適用されるかといった問題は、準拠法の問題と言われます。準拠法については、法の適用に関する通則法が規定しております。同法の25条、27条は、以下のように定められています。従って、ご質問のケースでは、日本法が適用されます。

第25条(婚姻の効力) 婚姻の効力は、夫婦の本国法が同一であるときはその法により、その法がない場合において夫婦の常居所地法が同一であるときはその法により、 そのいずれの法もないときは夫婦の最も密接な関係がある地の法による。

第27条(離婚) 第25条の規定は、離婚について準用する。ただし、夫婦の一方が日本に常居所を有する日本人であるときは、離婚は、日本法による。
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