債務整理は弁護士にお任せ下さい(弁護士と司法書士の違いは)

弁護士と司法書士の違い

弁護士は、扱うことが出来る法律業務の範囲に制限がなく、オールマイティな法律家です。弁護士は、裁判官、検察官と同様に、司法試験に合格した後、最高裁判所司法研修所での司法修習(現在では約1年間)を修了しております。

他方で、司法書士は、扱うことが出来る法律業務には制限があります。司法書士は、法律家ですが、法律分野の中でも、登記業務の専門家です。法律の改正により、司法書士も、条件付きで、一定の範囲内で、債務整理(自己破産・個人再生・任意整理・過払金返還請求)に関する業務を行なうことが出来ます。

しかしながら、債務整理(自己破産・個人再生・任意整理・過払金返還請求)は、本来的には、弁護士が行うべき業務分野です。そのため、債務整理の処理においても、弁護士に頼むとの司法書士に頼むのとでは、大きな違いがあるため、弁護士への依頼をお勧めします。



債務整理(自己破産・個人再生・任意整理・過払金返還請求)は、弁護士にお任せ下さい。

自己破産を弁護士に頼むべき理由

弁護士には代理権があります

最も大きな違いは、自己破産の申立てにあたって、弁護士には代理権がありますが、司法書士には代理権がないことです。


弁護士は、債務者(破産者)の代理人として、裁判所や破産管財人(裁判所が選任する債権者側の弁護士)と交渉などを行うことが出来るのに対し、司法書士は、基本的に、破産申立書の作成しか出来ないことです。

裁判所や破産管財人は、債務者(破産者)には、換価して債権者に配当すべき財産がないか、債務者(破産者)の免責を許可していいのかチェックする役目がありますが、大きな権力を持つ裁判所や破産管財人からのプレッシャーから債務者(破産者)を守ることが出来るのは弁護士しかいません。そして、裁判所や破産管財人との交渉では、法律知識や経験が不可欠になってきます。

破産申立てを司法書士に頼んだ場合は、司法書士にそうした役目を依頼することは出来ません。

弁護士は早期面接の制度が利用できます

破産手続には破産管財手続と同時廃止の手続がありますが、借金を負うに至った経緯に大きな問題がなく、債権者に配当すべき財産がない場合は、同時廃止の手続を目指すことになります。

そして、横浜地裁において、弁護士が代理人についている場合は、破産申立後、数日のうちに、弁護士が裁判官が面接し(早期面接)、借金を負うに至った経緯に大きな問題がなく、債権者に配当すべき財産がないことが確認されれば、同時廃止が認められ、破産手続は、開始するとともにすぐに(同時に)終了します。債務者(破産者)は、この裁判官との面接に同行する必要もありません

このような簡易な手続(早期面接)は、破産申立代理人である弁護士への信用を前提としております

司法書士に破産申立を依頼した場合には、早期面接の手続は利用できず、裁判官との交渉も、ご自身で行う必要があります。

弁護士の場合、管財事件における予納金が低額になります

裁判所より破産管財人(債権者側の弁護士)が選ばれる事件の場合、破産管財人の費用を裁判所に納めなければなりません。

横浜地裁の場合、弁護士が破産申立てを行った場合、予納金は最低20万円となりますが、司法書士に破産申立てを依頼した場合、予納金は最低30万円となります。

東京地裁の場合、弁護士が破産申立を行った場合、予納金は最低20万円となりますが、司法書士に破産申立てを依頼した場合、予納金は最低50万円となります。

このように、弁護士に破産申立を依頼した場合の予納金が安くなる理由は、弁護士が破産申立てを行った場合、財産状況の調査や破産申立に至る経緯の調査をきちんと行っているとの信頼を前提としているためです。

このように、弁護士に破産申立てを依頼した方が、費用的に安くすむことも多いです。

弁護士に個人再生を依頼すべき理由

弁護士の場合、個人再生委員が選任されません(横浜地裁)

横浜地裁においては、弁護士が個人再生を行った場合、原則として、裁判所から個人再生委員が選任されません。従って、弁護士に個人再生を依頼した場合、個人再生委員の報酬(約20万円)を支払う必要がありません


個人再生委員とは、債務者の財産や収入などを調査する弁護士です。

個人再生を司法書士に依頼した場合、裁判所から個人再生委員が選任されるため、司法書士の報酬に加え、個人再生委員の報酬(約20万円)を支払う必要があります。

これは、個人再生の申立てを行う弁護士が、財産や収入等の状況をきちんと調査しているとの信頼に基づいております。

任意整理を弁護士に依頼すべき理由

弁護士には、借金の額の制限はありません

弁護士は、借金の金額がいくらであろうと、関係なく、業務を行なうことが出来ます。


他方で、司法書士は、借金の金額が140万円以下のケースしか扱えません。

借金の金額について、依頼した際には140万円以下と思っていたが、借金額の調査をしたら、140万円を超えていたというケースもありますので、最初から弁護士に依頼した方が間違いはありません。

自己破産や個人再生へ方針転換する場合もあります

最初は、任意整理の予定でいたものの、債務額の調査や、債権者との交渉の結果、自己破産や個人再生の方針に変更することも珍しくありません。

自己破産や個人再生を弁護士に頼むのと司法書士に頼むのとでは、上述のとおり、大きな違いがあります。

従って、最初は任意整理を予定していても、弁護士に頼むのが無難です。

過払金の返還請求を弁護士に頼むべき理由

弁護士には過払金の金額の制限はありません

弁護士の場合、過払金の金額がいくらであろうと、扱うことが出来ます。

司法書士の場合、過払金の金額が140万円を超えると、その案件は扱えません。

過払金の金額がいくらになるかは、計算してみなければ分かりません。貸金業者が提出する計算書は、業者に有利な計算方法を取っていたり、過払金の利息(年5%)をつけていないのが普通ですので、きちんと計算をすると、意外に過払金の金額が大きいということもあります。

あってはならないことですが、一部の司法書士が、本来は、140万円を超える過払金があるものの、その案件を扱いたいがために、140万円以下の過払金しかないとして、業者と和解をすることもあるようです。

過払金の返還請求訴訟は、裁判の専門家である弁護士に依頼した方が無難です

過払金の返還は、不当利得返還請求訴訟(過払金返還請求訴訟)を提起しないと、十分な回収額が期待出来ません。

訴訟(裁判)は、言うまでもなく、弁護士の専門分野です。過払金の返還請求は、弁護士に依頼する事をお勧めします。

なお、司法書士も、法務大臣から認定を受ければ、簡易裁判所(140万円以下の事件を扱う裁判所)での訴訟代理人になることは出来ますので、過払金の金額が140万円以下であれば、訴訟提起することが出来ます。

ただ、簡易裁判所の判決に対して、貸金業者が控訴(不服申立)をすると、地方裁判所で審理をすることになりますが、その場合、弁護士しか訴訟代理人にはなれません。地方裁判所において、司法書士は、訴訟代理人になることが出来ません。

従って、過払金の返還請求についても、最初から弁護士に依頼をするのが無難です。
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弁護士と司法書士の違い

弁護士の場合は、司法書士のように、取り扱える事件に制限はありません。弁護士であれば、140万円を超える過払い金の返還請求も可能ですし、自己破産の場合は、本人に代わって、裁判所に、面接に行くこともできます。個人再生の場合、司法書士の申立ての場合は、個人再生委員がつくことになり、別途費用が必要となります
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