自己破産の換価の基準(横浜地裁)

自己破産で債権者の配当に充てられる財産は

自己破産申立(免責申立)の最大のメリットは、債務を全て免除してもらうことにあります(ただ、税金など、免除の対象とならない債務もあります)。


その代わり、債務者の財産は、換価の対象となり、債権者の配当に充てられます。とはいっても、債務者の財産が全て取り上げられるわけではありませんので、心配しすぎる必要はありません。


裁判所ごとに取り扱いが異なりますが、ここでは、横浜地裁における換価の基準を説明します。当事務所の各弁護士は、横浜地裁から破産管財人として選任されることも多く、横浜地裁における運用を熟知しております。

横浜地裁における換価の基準

横浜地裁における個人事件の場合には、以下の財産については、原則として、破産手続きにおける換価又は取立てをしません。

破産法34条3項の自由財産

99万円に満つるまでの財産(34条3項1号、民事執行法131条3号、民事執行法施行令1条)
 なお、破産者が破産手続開始決定当時に現金の形で財産を保有している場合でも、それが実質的危機時期(破産申立依頼、支払停止等)以降に、預金や保険を解約し、あるいは自動車等の財産を売却するなどして得られたものである場合には、換価の要否の判断に際しては現金としては取り扱わず、解約・売却等以前の状態を前提に判断します。


差押禁止財産(破産法34条3項2号)

 ・民事執行法上の差押禁止動産(民事執行法131条)

  生活に欠くことのできない家財道具等

 ・民事執行法上の差押禁止債権(民事執行法152条)

  退職金債権の4分の3(現実に退職していない場合は、8分の7相当額)等

 ・特別法上の差押禁止債権

  生活保護受給権(生活保護法58条)

  各種年金受給権(国民年金法24条、厚生年金法41条、確定給付企業年金法34条、確定拠出年金法32条)

  小規模企業共済受給権(小規模企業共済法15条)、中小企業退職金共済受給権(中小企業退職金共済法20条)

  平成3年3月31日以前に効力が生じていた簡易保険契約の保険金又は還付金(平成2年法改正前の簡易生命保険法50条)

定型的に破産法34条4項の自由財産拡張の裁判があったものとして扱う財産

破産手続開始決定時残高が20万円以下の預貯金

 (預貯金が数口ある場合において、その総額が20万円を超えるときは、すべての預貯金が換価の対象となります。)

破産手続開始決定時見込み額が20万円以下の保険契約解約返戻金

 (保険が数本ある場合において、解約返戻金の総額が20万円を超えるときは、すべての解約返戻金が換価の対象となります。)

処分見込価格が破産手続開始決定時20万円以下の自動車

 (減価償却期間(普通乗用車6年、軽自動車・商用車4年)を経過している場合は、無価値として扱われます。ただし、輸入車等の高級車の場合には6年を経過しても20万円以上の価値があるとされる場合もあります。)

居住中家屋の敷金債権

電話加入権(複数本ある場合でも換価されません)

支払見込額の8分の1相当額が20万円以下である退職金債権

支払見込額の8分の1相当額が20万円を超える退職金債権の8分の7

※上記以外の財産(株式、出資金、過払金返還請求権等)は20万円以下でも換価回収の対象となります。

《弁護士に破産申立を依頼するメリット》

弁護士に依頼せずにご本人で申し立てた場合や司法書士に依頼して、申し立てた場合、裁判官や破産管財人との対応は自分で行わなければなりません。大きな権力を持つ裁判官や破産管財人からのプレッシャーから債務者を守ることが出来るのは、弁護士しかいません。

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弁護士と司法書士の違い

弁護士の場合は、司法書士のように、取り扱える事件に制限はありません。弁護士であれば、140万円を超える過払い金の返還請求も可能ですし、自己破産の場合は、本人に代わって、裁判所に、面接に行くこともできます。個人再生の場合、司法書士の申立ての場合は、個人再生委員がつくことになり、別途費用が必要となります
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